No.1513
昨年の12月に、我が家の家族ぐるみの友人が病気が原因で亡くなりました。
ご主人を何年も前に亡くされてお一人で暮らしをされていました。
山野草や楚々とした草花が大好きなご夫婦でした。
樹木で一番好きなのが「夏椿:別名沙羅の木(シャラノキ)」。
そうです!夏に爽やかに咲く真っ白な花です。
私と嗜好が良く合いましたので、何度も家に伺って大事にされている草花を
見せてもらっていました。
そして時が流れ、彼女が病気にかかっている事が知らされました。
そう簡単には治療が出来ないものでしたので、私も顔を見るたび辛かったです🥲
そして・・・遂に。
少し時が過ぎ、息子さんたちが「母が大切にしていた花をどなたかもらって頂け
ませんか?」と言われ、やがてやってくる冷たい真冬に枯れてしまわない内にと
急いでいる様子でした。
その日の内にご自宅に向かい、シンビジューム、月下美人、デンドロビウム・・
たくさん置かれている中の「一番元気のないデンドロビウム」を預かりました。
花好きな人なので、普段なら水やりが止まる筈は無いのですが・・・よほど身体が
きつくて、水やりもきっと出来なくて気を揉んでいたに違いないのです。
さて、デンドロビウムの様子ですが・・・・
葉が付いているバルブが3〜4本だけ、裸のバルブが10本ほどでシワシワになって
いました。バルブは上に伸びずに横に「🦀カニ」のように倒れ広がっていました。
季節が違うのは承知の上で、直ぐに水苔を買い、まずは古い腐った根を取り除き
根全体を水に浸けたら汚れやカスを取り除きます。
殆ど根がついていないバルブは水洗いして乾かしたら、両端に熱く溶かした「蝋燭」を
塗布します。カビや腐敗を防ぎます。
横にして霧吹きで毎日水分を与えます。 4ヶ月が来ようとしていますが、裸のバルブの
ほとんどには変化がありません。
ほんの数本に「豆粒状」の芽が付きました。
葉が付いていた一番背の高いバルブにだけ10個ほどの花芽が着き始めました。
「たとえ一本でも命を伸ばせたらいいなぁ」という思いでしたので、本当に嬉しくて
笑顔の友人の顔が浮かんでくるほどの嬉しさでした。
そして遂に! 桜の開花宣言と同じ日に咲き始めました\(^-^)/
真っ白な花びらで、真ん中だけが濃い赤のような黒いような茶色いような・・・
楚々とした花が好きな彼女の好みらしい花です😀
ざっと調べただけですが、日本の野生種の「セッコク」の系統のデンドロビウムだと
思います。きっと蘭にとても知識を持っていらっしゃる方が多いと思いますので、正式
な名前をご存じでしたら教えてくださいませ。
友人を思い出す上で、こんな素敵な「形見」が側にあるのはとても嬉しいものです。
神様の記憶の中で、いえ、私や妻の記憶の中で彼女は生きています。
いつか大きな鉢植えにできるように大切に育てたいと思っています。