毎回不安な「胃内視鏡(カメラ)」検査ですが・・・

No.1528  (長い文章になりますが、何かのお役に立てましたら幸いです。)

 

 胃の異常なんて若い頃には全く感じたことの無かった私。

でも「腸」は弱くて小学生の頃からずーっと腹痛に悩まされてきた人生でした。

遠足のバスも通勤の電車もいつも不安で不安で、気にすればするほど痛くなる。

きっと同じ症状で苦しんでいる人も多いのでしょうね。

その甲斐あってか(?)肥満になったことは人生で一度もありませんでした。

 

 60代の後半、両親との同居、看取り、小姑(妹)との確執、そしてその妹の大病

そして看取り・・・大きなストレスが原因だったのでしょうか?

『胃の辺りの様な、肺の奥の様な場所から1日に何回かだけだけどピンセットで

一部を摘まれた様な痛み(それも軽くてすぐに消える)があり、水を飲むとまた

何時間も痛みは起きず、気のせいなのかなぁ・・・』と思いながら2ヶ月以上が

経過しました。

今思い出してみると、週に二度夜勤業務(病院の当直)がありましたが、夕食で食べる

量が少しづつ減ってきて、体重も1〜2kg減る傾向がありました。

当時は「なんとか酵母」の錠剤を飲んでいたり、トレールランニングの真似事などを

していたため、その効果として痩せてきたんだろうと思ってやり過ごしたのです。

 

 時が経ち相変わらず「チクン!」という何時間か、時には何日間なんでもないという

症状が続くので、妹の死後の諸手続き終了後に自ら地元の病院に行き「胃カメラ検査」

を申し込みました。元気ですので受付の人から「健康診断お申し込みですか?」と開口

1番に言われました😅

当時その病院は拡張工事の改築中で、診察室の隣部分は鑿岩機で壊しているまるで戦場

下の病の様に音も見た景色も騒々しいものでした。

 

        

 

「胃カメラ検査」って、巷でも「怖い」「苦しい」「二度とやらない!」などという嫌な

評判しか聞かないのでかなり勇気が入りました。でも「体は本当はどうなっているんだ

ろう?」という不安の方が勝り覚悟してのことでした。

 

 初めての検査なので、検査時間が長いのか短いのか、または胃の組織採取を取る場合

患者にその旨を検査中に言ってくれるのかどうかも全く分かりませんでした。

通常、検査結果は培養する時間が必要なので「2週間近く」掛かるとのことでした。

そのため胃カメラ検査当日に2週間後の診察日を予約しました。

 

 ところが、予約日の何日も前に夕方、病院から電話がありました。

「検査結果が出て、先生からお伝えしたい事がありますので2日後にお越し頂けます

か?」という内容でした。翌日は仕事でした。職場の同僚に「病院から早めに電話が来

るって・・・そういうこと・・だよねぇ?」と話したら「そうかもねぇ。」でした💦

誰でも察しますよね💦

 

 そして次の日に診察結果を聞きました。

『胃癌のステージ2』でした。 

画像も見ましたが「癌」は明らかに周りの胃の細胞とは異なっていました。 

でも結果が分かって(痛みの原因)落胆よりも安心の方が勝り「ほっと」した事を良く

覚えています。

問題は手術のことです。私はもともと「輸血は一切したくない」気持ちなので、果たし

てドクターは無輸血手術を引き受けてくれるでしょうか?

 

      

 

 その話を切り出すと、意外なことに先生は「僕は無輸血手術しますよ!」と。

なので診察途中に手術に関する資料を持ってきたナースさんに対して、この患者さんは

輸血しないので、血に関する資料も同意書も要らないので戻しちゃって!」と指示され

ていました。 後に聞いてみたら後にも先にも無輸血手術をその病院では許可されてい

ない様でした。 この時だけは本当に「神様の計らいに違いない!」と思いました。

 

 手術はやはり工事中の騒音の大きな日に行われました。

腹腔鏡というお腹に小さな穴だけを数箇所開けて、そこから内視鏡や鉗子(かんし)と

いう器具やハサミなどを入れます。切り取った患部もその穴から取り出します。

切開だけでなく縫合などを内視鏡を頼りに行いますので、切開(お腹を切る)による

オペよりも時間も掛かりますし、先生の技術頼りになります。

 

      

何時間も掛かった様です。(本人は麻酔で完全に眠っているので分からず😅)

200mL程度しか出血せず、輸血は全く不要な見事なオペでした。

先生がオペの前、手術台に乗って麻酔のために背中に針や管を処置している時に私が

みた景色・・それはモニターに映った私の胃の部分の見つめ、手でなぞる様に動かし

「イメージトレーニング」している姿でした。どこをどう切るか?かなり早い時期から

考えておられることは直接聞いていました。 開腹手術ならより簡単なオペができるはず

ですから、先生もかなり神経を使って苦労をされておられるんだろうなぁ・・と思いま

した。 麻酔は「秒単位」で効いて・・・・手術終了後まで意識が飛びました。

 

 ★ここで、胃に問題があるとお感じの方々へ、自分の経験した良い知らせを書き残し

たいと思います。

1、麻酔は麻酔薬とガスを使いますので、ぶっとい注射💉で刺されることは無いです。

2、術後に切られた胃そのものの痛みは全くありませんでした。私は詳しく教えては

貰わなかったのですが恐らく「持続硬膜外麻酔カテーテル」が数日間背中に取り付け

られていたため全く痛みませんでした。むしろ腹腔鏡時に開けられた「穴」の方が

痛みました。

3、人や症状にもよりますが、術後2日目には歩かされます😀  

というか、直ぐに歩ける様な手術なのです。

点滴棒や廃液袋(ドレナージバック:腹の中の血液や体液を溜め込む袋)を「相棒?」

にしての歩行なので慣れるまで辛いですが😅  運動した方が治りが早いという事です。

 

 こうしたことは今から5年前の出来事です。

毎年一回は必ず「胃カメラ検査」が行われ、時々「大腸カメラ」も指示されて逃げず

に続けてきました。結果はずーっと「問題なし」でした。

胃癌の「5年後生存率」は現在90%だそうです。

検診や自ら望んだ胃カメラやバリウムによる検査のおかげで、発見件数も増加しますが

早期発見により小さい内に治せる様になったと聞きます。ただ、リンパ節や他の臓器へ

の転移が伴うガンの状態だと一気に生存率は落ちます。(厚生省データ)

私の場合、ステージ2でしたが手術の際に採取した胃周辺の「リンパ節」への転移が

あって、しばらくの間「抗がん剤」を飲みました。

幸い毛が抜けることもなく、副作用もほとんど無く食欲すら落ちないという脳天気。

逆に抗がん剤として「効いているのかなぁ?」とさえ思ったものでした。

我慢出来ない痛みでは無かったので、もしそのまま放っておいたら・・・そう思うと

「ゾッと」します。 胃そのものよりも各部への「転移」が怖いです。

 

 私の最初から最後まで担当してくれたドクターは、2年ほど前に他の病院へと移って

しまいました。引き継がれたドクターは先のドクターの後輩と聞きましたので、必要な

情報は移動されても情報交換している様です。

幸いにも、オペはしませんが「内視鏡検査」だけの担当として「月に一度だけ」元の

病院に来てくれていることを知りました。

実は昨年の年末に新しい先生に「内視鏡検査」をしてもらった際に、その先生の主観で

「気になる膨らみがある」と判断され、細胞採取されました。培養の結果は全く癌性の

ものではありませんでした。でも先生の診察では「癌では無いけれど別の新しい病気だ

と思います。胃カメラの検査を増やしましょう。」でその時は終了し、日を経て次回の

検査(つまり今回)をいつにするか、そして今の先生にまた診てもらうか?

それとも月一回やってくる元の先生に診てもらうか?選ぶ自由を与えられました。

今の先生には失礼かな?と思いましたが、やはり執刀された先生の方が、私の顔は忘れ

ても胃の傷をきっと覚えているだろうと考えて、元の先生を指名?しました。

 

 このところ空腹時に胃が荒れている様な痛みというか?不快感があり、気にする所為

か、腹の筋肉が硬くなり、なんだか強張っていたので不安に満ちた日々でした。

もし再発とでもなったら今度は「全摘」プラス「大腸を切って胃の代わりにする」大き

な手術になる可能性があるので、不安で落ち込み消極的な感情に勝てない日々でした。

もう何度も(合計7〜8回)行っていますので、何か問題がある時の先生の挙動や、

検査時間の長短で分かる様になりました。検査は全然怖くありません!

しかし、検査そのものでは無く「結果」が怖いし、不安なのです。

全く人生が変わってしまう程に及ぼす影響は大きいのです。

 

 今日の結果です! 

先生「全く問題ないです!そして前回、他の先生の所見で細胞採取している様

   ですが、私が縫合した部分の角度違いの見え方の所為だと思います。その時点で

   も問題は無しの様ですよ。頑張ってますね!私も嬉しいですよ〜。」

私「(心の底から)ありがとうございます!!

 

 ここで私からのお勧め!

【経口内視鏡検査:口からカメラを入れて検査する方法】です!

      

「おえっ!」となることへの恐れを案じて、鼻から入れる「経鼻内視鏡検査」を

選ばれる方も多いと思いますが。

 

     

 

何よりも口からの方が「時短」「高精度カメラ使用」「無痛」などなど長所多し。

反対に「鼻からの方式」は、まず鼻の穴から喉へと通すため、鼻血が出る可能性が

大きいため、それ用の処置や麻酔が必要なだけで無く、ケーブルが細い分カメラの

レンズも小さくなり「精度」が落ちることです。検査に入るまでに時間が掛かる事も

無視できません。 「口からなら」さっさと胃に達して、検査終了後は数秒で抜けます。

今日の私の場合、痛みも苦痛も何もありませんでした。

 

 検査直前に「キシロカイン」という局部麻酔液をスプーン一杯口に入れられ、5分間

飲み込まない様に我慢した後、カメラを入れる直前にスプレータイプの「局部麻酔液」

を2回ほど吹きかけられ、それを飲み込みます。(今回初めて)

そのおかげで、全く「おえっ!」も無く、ゆっくりと深呼吸することを勧められて実施

してみたところ、筋肉の力も緩み本当に知らない内に胃に達しました。 

看護師さんが背中をゆっくりと「トントン」してくれるのもリラックスするのにとても

助けられました。(赤ちゃんを寝かす時の様でした。🥰 )

全体で10分掛かりませんでした。担当される先生の腕も大きく関係しますが、口から

の胃カメラ挿入の方を本当にお勧めです。

 

 余談:

その日の夕飯に、お祝いとして少しお高い魚を買い「手巻き寿司」にしたのですが・・

ついつい嬉しくて食べ過ぎてしまい、消化のバランスが崩れ「低血糖」になって

気持ち悪くなったのは・・・「秘密㊙️」です。😅  本当に学習しない私です(^^;;

 

 皆様も恐れずに「胃の中を」見てもらいましょう!\(^-^)/